相続税の有無の判定
相続税額計算のプロセスはかなり複雑ですが、取りあえず納税の有無の判断だけでも事前にできれば気が楽になると思います。
次の手順でご確認下さい。
1. |
亡くなった方の財産債務の一覧表を作成します |
2. |
表3に従ってそれぞれの財産の評価を行います。 |
3. |
2の評価額を表1のフローチャートに従って集計します。 |
4. |
① |
正味の遺産額(3の金額)が基礎控除額より少なければ税額は生じません。 |
② |
課税遺産総額(4の金額)が計算される場合には税額が生じる可能性がありますので表2を参照して下さい。概ねの税額の目処を立てることができます。
|
|
|
(注)宅地の評価には優遇規定が設けられていますので詳しくは当該ページを参照して下さい。
|
相続税の有無の判定(表1)

1について
遺産総額(みなし相続財産の価額が含まれます)に相続税精算課税の規定の適用を受ける贈与を加算します。
2について
1から非課税財産、葬式費用、債務を控除します。
3について
2に相続開始前3年以内に贈与された財産の価額を加算します。
4について
3から遺産にかかる基礎控除額を控除して課税遺産総額を算出します。
判 定
遺産にかかる基礎控除額は5,000万円+1,000万円×法定相続人の数で計算される金額ですが、この遺産にかかる基礎控除額が3の正味遺産の額より大きくなる場合には相続税は算出されません。
相続税の速算表(表2)
被相続人の遺産の内容や法定相続人の人数、また、遺産分割の状況により相続税額は異なりますので一概にお答えすることはできませんが、被相続人の遺産を相続人が法定相続分により相続したと仮定しますと、次の表のとおりとなります。
相続人 |
遺産の価額 |
1億円 |
2億円 |
3億円 |
5億円 |
配偶者と
子供1人
|
配偶者 |
0万円 |
0万円 |
0万円 |
0万円 |
子 |
175万円 |
1,250万円 |
2,900万円 |
6,900万円 |
配偶者と
子供2人
|
配偶者 |
0万円 |
0万円 |
0万円 |
0万円 |
子 |
50万円 |
475万円 |
1,150万円 |
2,925万円 |
子 |
50万円 |
475万円 |
1,150万円 |
2,925万円 |
配偶者と
子供3人
|
配偶者 |
0万円 |
0万円 |
0万円 |
0万円 |
子 |
17万円 |
271万円 |
667万円 |
1,758万円 |
子 |
17万円 |
271万円 |
667万円 |
1,758万円 |
子 |
17万円 |
271万円 |
667万円 |
1,758万円 |
配偶者と
子供4人
|
配偶者 |
0万円 |
0万円 |
0万円 |
0万円 |
子 |
0万円 |
169万円 |
450万円 |
1,188万円 |
子 |
0万円 |
169万円 |
450万円 |
1,188万円 |
子 |
0万円 |
169万円 |
450万円 |
1,188万円 |
子 |
0万円 |
169万円 |
450万円 |
1,188万円 |
|
(注)
1. |
遺産の価額は、各人の相続税の課税価格の合計額(遺産に係る基礎控除額控除前の金額)です。(上記3の金額) |
2. |
相続税額の計算に当っては、配偶者の税額軽減を適用し、税額は1万円未満を四捨五入しています。
|
相続財産評価項目と評価方法(表3)
評価項目 (財産の種類) |
評 価 方 法 |
土地(宅地) |
評価の原則 |
路線価方式=路線価×地積×調整割合
倍率方式=固定資産評価額×倍率方式 |
・自用地 路線価方式か倍率方式による評価額
・貸宅地 自用地としての価額 ×(1-借地権割合)
・貸家建付地 自用地としての価額×(1-借地権割合×借家権割合)
国税庁財産評価基準書参照はこちら
|
土地(私道) |
特定の者の通行の用に
供されているもの |
自用地としての評価額 × 30/100 |
不特定多数の通行の用に
供されているもの |
評価しない(不特定多数の通行のように供されているため評価しない) |
家 屋 |
自用家屋 |
固定資産税評価額 × 1.0 |
貸 家 |
自用家屋の価額 ×(1-借家権割合) |
預貯金 |
普通預金 |
相続開始時の預入高 |
定期預金 |
相続開始時預入高 + (利子の額-経過利子にかかる源泉税額) |
株 式 |
上場株式 |
次のうち最も低い金額によって評価
課税時期(亡くなった日)の最終価格
課税時期の月の最終価格の月平均額
課税時期の前月の最終価格の月平均額
課税時期の前々月の最終価格の月平均
|
取引相場のない株式 |
●原則的評価方式
大会社 類似業種比準方式
中会社 類似業種比準方式と純資産価額方式との
併用方式
小会社 純資産価額方式
●特例的評価方式
配当還元価額方式
|
証券投資信託 |
日刊新聞等に掲載されている課税時期における基準価格 |
事業用資産 |
商品・製品 |
販売価額 - (適正利潤の額 + 予定経費の額 + 納付すべき消費税の額) |
半製品・原材料 |
仕入価額 + 経費の額 |
貸付信託 |
元本の額 + 既経過収益の額 × (1 - 0 . 2) - 買取割引料 |
ゴルフ会員権 |
取引相場のあるもの |
取引相場価格の70% + 預託金返還請求権 |
取引相場のないもの |
会員権にかかる株式の相続税評価額 + 預託金返還請求権 |
その他財産 |
自動車 |
中古取得価額
新品小売価額 - 償却費の額の合計額(中古取得価額が明らかでない場合)
|
家財道具 |
中古取得価額 |
電話加入権 |
財産評価基準書に定める標準価額(平成20年は2,000円) |
退職手当金 |
退職手当金の金額 - 非課税限度額(500万円 × 法定相続人の数) |
生命保険金 |
生命保険金の金額 - 非課税限度額(500万円×法定相続人の数) |
|
東京国税局
相続税の申告のためのチェックシートはこちら(PDF)